「朔太」さんのページ

総レビュー数: 819レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

私もpyoさんモナさんのレビューを見て思わずやって来ました。
私の記憶は、ピョン吉がTシャツに張り付いてしまう、
いわゆる第一話のお話です。
ここだけは映像的にしっかり残っています。
それ以降については、1ミリも面白いと思ったことはありません。
テレビ放映等を通じて一世風靡した感はあるのですが、
不思議でたまらなかった記憶があります。
したがって、レビューできる資格はないのですが、
先の2名のレビューに続きたい気持ちだけで参加しました。

ところで、作者の吉沢氏は、この長編ヒット作品で23歳で
家を建て、税務査察により追徴課税を若くして受けているのですよね。
その後は廃業状態から脱してからも沢山の作品を描きましたが、
ヒット作品どころか不発作品の連発だったようです。
人生の頂点を20代前半で迎えた典型的な漫画家だったようです。


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[投稿:2019-08-03 09:09:29] [修正:2019-08-03 09:09:29] [このレビューのURL]

秋本治のアシスタントを長く務めた人らしく武器の
メカニックに見るべきものがありますが、
ストーリー展開にはほとんど関連しません。
むしろ、砂防コートやヘルメットはシンプルで
かわいい絵柄を醸し出しています。
格闘シーンも力技ではなく、ワイヤーウィンチを
利用した空中戦が戦闘の悲惨さを軽くしています。

背丈も小さく、ちょこまかした機動力で戦う姿は、
むしろ可愛く、ヘルメットに描かれた無表情な案山子の
ような味わいを生んでいます。
特に私は小砂がとてもお気に入りでした。

13巻まで読みましたが、12巻までの展開と
今後は変質していくようですね。
少なくとも13巻は小砂編が始まりました。

うすね氏も大病による2度の休載を経てるようで、
元の味わいを失わないよう頑張ってもらいたいと思います。
なにぶん20年越の良作です。


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[投稿:2019-07-31 03:26:32] [修正:2019-07-31 03:26:32] [このレビューのURL]

今更ながらドラゴンボールを論評することに、
気恥ずかしさがある。
それほどに歴史に残るお化けヒット漫画でありアニメである。
ドラえもんとともに日本人のみならず、世界中に配信された。

少年期は西遊記や南総里見八犬伝のオマージュであることは
作者もさすがに認めるだろうが、鳥山氏の本来の持ち味で
ある子供ギャグ(うんちとかおっぱいとか連発する)が
中心でアラレちゃんの延長線上だった。

しかし、世界征服者や地球侵略者が現れるや突然バトル編へ
突入する。
これは少年ジャンプの伝統的な編集方針であり、圧倒的な
絶望をより強い克己心でもって、これを克服し敵を倒す。
当初は正義が大義にあったが、次第に戦闘狂になって
くるあたりは、時代が許容しだしたせいだと思う。

いずれにしても、少年はいつの時代にも、どの国に
生まれても、絶対に興奮し自分の身に置き換えてしまう
世界と設定と戦闘を完璧な形で世に提供した功績は大である。

こんな漫画は二度と現れる気がしない。

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[投稿:2019-07-26 05:34:37] [修正:2019-07-26 05:34:37] [このレビューのURL]

学習漫画の先駆け的存在でした。
本作品でなくとも、この種の学習漫画にどなたも一度は
小学生時代にお世話になったはずです。

学習漫画は本作以前は子供向けだったのが、大人向けに日本
の歴史を漫画で精巧に描き、支持を得ました。
シリーズ累計800万部以上の売上をあげ、大成功だったようです。
その後も日本史ブームの火付け役としての価値は
誰もが認めるところとなりました。

石ノ森章太郎は、それ以前に「日本経済入門」でヒット
させており、漫画の文化的役割と可能性について限界は
ないはずとのポリシーを持っていました。

彼の懸命な活動による功績は計り知れないものがあります。


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[投稿:2019-07-21 06:09:20] [修正:2019-07-21 06:09:20] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

オメガトライブを読了後、世界を大きくしてスリリングな
展開を期待していました。
全くその逆でした。

「祭り」のための準備で留まる時間が長いため展開は遅く、
伏線は拡大され、大きな流れに関係のない小さなバトルの
連続でした。
全くの期待外れでした。
挙句の果て、最後の数話で何世代も話を進め、
まとめたつもりで終わりです。

作者も巻末で同様の反省をしていて、大風呂敷を広げたと
の指摘を受けていたようです。
最初の1巻だけが面白く、以降25巻にわたって右肩
下がりにレベルが下がる典型的なダレ作品でした。


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[投稿:2019-07-17 07:00:17] [修正:2019-07-17 07:00:17] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

第一巻を手にした途端、独特の世界観にどんどん引き込ま
れていきます。
何が主人公に起こったのか、謎を追い続けたくなります。
人類史の根源から人類の未来を託すべき新人類の誕生、
さらに淘汰の闘争へとつながっていく予感が
壮大なスケールで現れてきます。
人類を統べるべきリーダーの誕生のプロセスを追いか
けていく目撃者になるというのが読者の期待でした。

主人公晴は、防衛機能をまず掌握するためだと思われま
すが、防衛大に潜入します。
しかし、そこから突然、ミクロな人間臭い展開が始まり、
人間同士の些細なバトルに展開される始末です。
さらに、晴は起源であるアルファが全く登場しないで
ベータである梶に主役が移ってしまい、何をしたいのか
何が主題だったのか迷走しだします。

ベータと他の種族のアルファとのバトルって、何か
意味がありますか?
それも後半の大半をこのつまらない抗争が延々と続きます。
この辺りは連載中はとても不評で、連載打ち切りが
囁かれるようになってきます。
そのためか14巻で政治家に転身しようと立候補する
梶が主役のまま、終わってしまいます。
迷走としか言いようがないです。

前半は8,9点の評価でしたが、後半が3点くらいの
評価になり、全体としてはその平均を与えたいと思います。


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[投稿:2019-07-05 20:07:48] [修正:2019-07-05 20:07:48] [このレビューのURL]

自虐的私小説風漫画です。
漫画家残酷物語の延長にあります。
ヒット作品の出せない(売れない)漫画家の最大の弱点は
エンターテインメントとなるストーリーテラーになる
才能がないことなんですね。
常日頃から思うのは、漫画家の苦しみの大半はネームの
考案なんだから、ここは分業制で原作者と手を組むべきなんです。
商業ベースの漫画家さんには、なんだかんだ言っても
一定レベルの絵なら描ける人は沢山いますからねえ。
自身の適性、才能の限界を知れば、編集者に頭を
下げるべきなんです。
才能ある原作者もそれほど多くはないのかもしれないですが・・。

さて、本作品の第1巻には引き込まれ魅力がありました。
まさに自身の小規模な生活ぶりが、社会の底辺に落ちるか
どうかの瀬戸際で踏ん張っている活力が伝わってきました。
しかし、多少なりとも連載(定収入)を得ても、
編集者と妻と他のライバル達との関わりどころか嫉妬と
優越感との行きつ戻りつを繰り返すのですね。
これには、さすがに2,3巻読んだところで食傷気味になりました。
おまけにそれほどの自虐ぶりなのに、妙な自信が加わって
くるので鼻につくようになりました。

6巻で休載にしてストーリー漫画に転身されたのは、正解でした。
作者も妻に言ってますが、「いつまでも漫画家でいられる
ことはない。そのことは分かっているのか。」
妻は「その時には私が働くから、心配なさんな。」と返して、
作者は最高の妻だと賞賛します。
かような具合で、まさに小規模な生活というより、
小心者の日記と回顧録を見せつけられるという感じです。
私にはやや重かったです。

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[投稿:2019-06-26 19:58:29] [修正:2019-06-26 19:58:29] [このレビューのURL]

漫画家さんは孤独で傷つきやすいナイーブな存在なんですね。
おだてたり透かしたりしてその気にさせて木に登らせる
のが担当編集者の役割です。
読者の声を代弁して、ネームも何度も訂正させて育てていく。
新人さんを育てて大きなホームランを打つのが編集者の夢。
大学柔道出身の編集者小熊は、夢を追いかける良い
個性を持っていて好感が持てます。
「売れるのではない、売ったのだ。」というセリフは編集者の矜持です。
そんなお仕事を楽しく見せてくれる漫画です。

漫画レビューワーにとって、漫画制作の裏事情を知って
おくことは大切と思いますので、必読の作品です。


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[投稿:2019-06-17 20:15:00] [修正:2019-06-17 20:15:00] [このレビューのURL]

性同一性障害という病気がもたらす本人のみならず、
家族や社会との葛藤をテーマにしました。
ナイーブな問題だけれども、想定できる問題や衝突を
余すことなくタブー視しないで問題提議をします。

皆さんの評価は高いので、口はばったいのですが、
全巻を読んだ正直な感想です。
背景を理解するための1巻と結着の15巻の間の
13巻分のお話は、毎号毎巻同じ繰り返しに感じてしまいました。
プロセスの進展はほとんどありません。
周辺の同じ思いを持つ男女、姉、母、女友達の優しい
共感と彼ら同士の反発の繰り返しです。
やや退屈さを感じるほどの行きつ戻りつを繰り返すのが残念です。

また、画は可愛いのですが、人物の描き分けが苦手な
ようで、十人くらいのサブキャラはほとんど誰だか
わからないまま話しが進んでいった感じでした。
まあ、それでも問題ない展開も困ったものですが。

面白いのは、主人公を取り巻く男友達のほとんどは、
無邪気な攻撃を仕掛けてくる敵ですね。
男社会が絶対敵だと理解できます。
要するにオンナ世界になれば、救われる男も沢山
いることを男は知るべきですね。

つまるところ、本当の自分をさらけ出したい欲求と社会と
どのように折り合いをつけていくかの問題なんですよ。
繊細な心を持つ人間は、獣がいる社会では生きていけません。
繊細な世界を好む人たちに守られた駕籠の中の世界だけが、
彼らの住処という結論かと理解しました。

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[投稿:2019-06-09 14:55:45] [修正:2019-06-09 14:55:45] [このレビューのURL]

道路は右端を歩き、横断歩道以外で道を渡りません。
安くてうまい“さんま”のためなら、足を棒にしても
歩きつづけます。
道路交通法を遵守し、自由経済の法則に忠実な
学者生活を滑稽と笑い飛ばします。

今の時代、学者でなくとも変人は山ほど町にあふれる
時代になりましたので、連載開始の1989年には
滑稽と笑えたことも個性の時代となった現代では、
さほどそうでもない、と冷静にみてしまいます。

時代の変化にとても影響を受ける作品でしょう。

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[投稿:2019-06-05 20:03:06] [修正:2019-06-05 20:03:06] [このレビューのURL]

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