「朔太」さんのページ

総レビュー数: 821レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

あだち充さんの描く高校生を中心とした青春物語は、
多くの人に支持されており、私も好きです。

ここでは、それ以外にも子供や大人の柔らかい胸の
痛みを物語にしています。
例えば、幼なじみにはいつまでも自慢の友でいたい
男の悲劇(天使のハンマー)。
女として見られたい女の子の機微(チェンジ)などがお勧めです。

長編のあだち充も結構ですが、短編も持ち味があってよろしいです。

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[投稿:2020-05-10 12:59:02] [修正:2020-05-10 12:59:02] [このレビューのURL]

絵は見やすく上手いと思いますが、普通の女子高校生の
恋愛模様でした。
第一話の両親がバングラディッシュに転勤という意外な
設定から始まったので、期待して読み始めましたが、
やっぱりな・・展開でした。
タイトルに惹かれて関心を引きましたが、起伏がなく、
事件も起こりません。
ごめんなさい、2巻まで読み進めて撤退です。

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[投稿:2020-05-09 08:44:02] [修正:2020-05-09 08:44:02] [このレビューのURL]

5点 RED

西部開拓時代を終えた米国建国時代における滅亡
インディアンによる壮大なスケールの復讐劇でした。
復讐される側にも主人公を支える側にも多くの
登場人物が配されており、丹念なキャラクタ作りが
印象的でした。

しかし、枝葉を取り除いて考えて見ますと、
当初より主人公の怨念は終始一貫しており、
敵が入れ代わり立ち代わりするだけで、
最後には復讐をどのように果たすのかだけが
関心でした。

19巻もの長さの割には全て予定調和であり、
予見できる物語でした。
そのような意味で読者の期待を裏切る意外性はゼロですし、
ストーリーも平坦過ぎるくらい平坦でした。

見るべきものは、主人公を支える仲間たちの友情と
動機の説明となるサブストーリーにありました。
これも村枝氏の友情に対する考え方が全ての人間
関係に共通しているのですが、兎に角寝食を共にした
人間は友人であり、ひとたび友情が芽生えれば、
命を懸けてもそれに拘り続けるパターンです。
あるいは友情に背いて裏切りをした男の傷心を
終生背中に背負っています。

そんなステレオタイプの登場人物とお話が延々と
繰り返される印象です。
セリフも格好の良いものが多く出てきますが、
何を言っているのか意味不明なものが多く、
少年誌向け作品かと思ってしまいました。

全巻読み通しましたが、銃撃戦や決闘により死んだ
登場人物の主だったところでも50人はいそうです。
端役も入れれば300人程度かなあ。
そんなことで大河ドラマを見るような長編大作になって
いますが、私にはとても単純な数巻でまとめられる
ような内容の薄いドラマを見た感じだけが残りました。

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[投稿:2020-05-06 06:34:52] [修正:2020-05-06 06:34:52] [このレビューのURL]

8点 紅い花

2020年1月、欧州最大規模の漫画の祭典、
第47回アングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を
受賞されたことで、本作品のことを思い出しました。

伝説の名作ですので、中途半端なレビューはできません。
おかっぱ頭のキクチサヨコという少女の名前は、
その後の多くの漫画や小説で見かけることがあります。
それは、つげ義春に対するリスペクトを込めたオマージュなのでしょう。

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[投稿:2020-05-01 11:15:16] [修正:2020-05-01 11:15:16] [このレビューのURL]

「おやすみプンプン」を先行して読んでしまったので
浅野に対するハードルを上げてしまいました。
それほどプンプンには衝撃を受けてしまいました。

本作の単行本帯の言葉を借りますと
「気だるい平和。ダラッとつづく日常。川の流れる街。
大人になっていく僕ら。青春狂想曲。」となかなかの
上手いコピーです。
モラトリアム時代の青春の閉塞感は、
「何でもできる、何でも志してよい、
だけど何ができる、何ができる?」の自問自答の繰り返しです。
そんな息苦しさを上手く表現しています。

芽衣子はこの後、普通に大人の生活で無感動に
生き続けるのでしょう。
それは決して否定的な意味ではなく、種田との共有
した時間があったからこそ大人になれたと感じながら。

敢えて注文をつけますと、若者の夢はミュージシャンを
志すことしかないのでしょうか?
バンドを組むことでとてもステレオタイプな
ストーリーになってしましました。
残念ながら同人誌の作家さんの良くありがちな設定
パターンなんですよ。
その有りがちな王道青春物語を敢えてプロならこんな
風に仕上げるんだという見せつけが意図なら、
それもアリですが、
そこまでの評価を与えることはできませんでした。

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[投稿:2020-04-26 15:26:00] [修正:2020-04-26 15:26:00] [このレビューのURL]

警察組織の公安に対しては、活動が非公開なので漫画ネタ、
ドラマ・映画ネタになった作品は、過去に多数ありました。
本作品もその路線を踏襲しています。
こうなると本当の権力がどこにあるのか、誰が裏権力者な
のか、裏組織の謎が面白みが大半になりますので、
複雑な権力構造と登場人物が複層化してしまい、
長々と続くと読み続けるのが辛くなってきます。

この作品がそれでも何とか支持できるのは、絵が可愛く、
黒刑事である主人公も脂ぎった顔形なはずですが
魅力的に見えます。
これは画力の高さだと思います。

「桜、三億円」編がひと段落した7巻まで読んだところで、
一旦止めようと思います。 


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[投稿:2020-04-16 18:06:17] [修正:2020-04-16 18:06:17] [このレビューのURL]

ヒューマンドラマを集めた短編集です。
テレビドラマ、映画をはじめ小説や漫画のヒューマン
ドラマには、哀しみとともに救いが無いと成立しないものです。

本作品は、哀しみやペーソスが主たるベーステイスト
なのですが、必ずしも救いが存在するわけでもなく、
良い人たちが作るドラマでもないのが特徴です。
その代わりに、“大阪テイスト”という
「転んでもただでは起きひんで」という精神、
したたかさが添え物に味付けされています。

独特の絵柄(私は描かれる美人が好きではないので
評価は高くないですが)と相まって、独特の大阪人間
ドラマが描かれています。
それを最初から狙って描かれたのは、タイトルを
見ても明らかであり、森下裕美さんがそれを
とても好きでそれを愛情をもって表現したいと
思っている気持ちがシッカリと伝わってきます。

それぞれの短編は珠玉のような輝きを放っており、
記憶に残る名作と言えます。

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[投稿:2020-04-13 16:42:09] [修正:2020-04-13 16:42:09] [このレビューのURL]

GTOが代表作品になってしまった感のある藤沢とおる氏
ですが、GTO連載時には突き抜けた面白さがありました。
特に、退廃的なギャグが好きで、これは次々と傑作が
生まれてくるんだろうと期待した作家さんのひとりでした。

しかし、その後は数は出しても、結局GTO以上の
作品は生まれず、鳴かず飛ばずで、ついには50歳以上の
ベテランになってしましました。
本作品は、藤沢氏の最も勢いのあったGTOを下敷きに
若干少し変化球で勝負しましたが、結局中途半端な
テイストになってしまいました。

GTO以上の作品はもう生まれないのでしょうか。
がんばれ!藤沢とおる。

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[投稿:2020-04-04 13:09:59] [修正:2020-04-04 13:09:59] [このレビューのURL]

水島先生初期の頃の最初のヒット作品です。
水島作品は徹底して野球だけをテーマにされていますが、
たぶんこの作品以前は、いろいろ描かれておられた
はずですので、この作品の成功が契機になって、ドカベン、
あぶさんにつながっていったのだと想像しています。

藤村甲子園、豆タンなど、主人公、脇役の原型もここにあります。
しかし、よく見ると原作者は別におられたのですね。
意外でした。
以降の水島作品には、当たり外れが結構あったり、
やや歪んだシナリオ展開があったりしますが、
この作品はキチンとしていたように思います。

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[投稿:2020-03-23 20:08:21] [修正:2020-03-23 20:08:21] [このレビューのURL]

6点 花縄

小池一夫の世界が堪能できます。
鬼平こと長谷川平蔵の晩年に、女で身を崩して死を
想う日々の元大関玉椿との出会いで物語が始まります。

小池一夫の武士の世界には、常に死を引き換えに
生を輝かす道筋が示されます。
いつもそれがとても潔く、美しく見えるので素晴らしいです。
今回も死を覚悟した自分を生かす鬼平への恩義により
輝く生を見せる主人公の姿がテーマです。

お約束通りに、二人の美しい女性との結ばれない
恋愛関係も物語を輝かせます。
やや物足りないのは、捕り物帳にしては謎の深みがなく、
他の作品に比べて情実の淡白さも気になりました。
昭和の時代はもっと濃い情実ぶりがお得意だった
ように思いましたが。
小池一夫に並ぶ人情作家が最近見当たらないのが残念に思えます。

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[投稿:2020-03-09 18:43:36] [修正:2020-03-09 18:43:36] [このレビューのURL]

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