「朔太」さんのページ

総レビュー数: 821レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

探偵が活躍する推理ものかと思いきや、半分コメディ、
半分料理・食べ物のウンチク、雑学知識漫画でした。

連載当初は、立派に殺人事件も起こっていたのですが、
いつのまにやら些細な小事件のお話に変わってきました。
「ミスター味っ子」「将太の寿司」の作者ですから、
元来料理・食べ物に深い知識があるためでしょうか、
面白いトリビアが事件の真相になっていることが多いです。

作家が本業の主人公高野聖也が毎回全開させる食欲は、
まさにマンガレベルで半端ありません。
回を追うごとに極端になり、14巻では漁船で
水揚げする魚を食い尽くす勢いでしたから、有り得ません。
主人公がボケなら、可愛い秘書出水京子はツッコミ役でした。

従来になかったテイストの探偵ものの面白さでした。

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[投稿:2017-11-17 07:30:02] [修正:2017-11-17 07:30:02] [このレビューのURL]

漫画が文化の一つとは誰も認めなかった時代に、白土三平の
孤独な試行錯誤がありました。
50年以上の月日が経って、サブカルチャーとしての漫画が
確立された今、同じ視線で評価を与えることは難しいです。

彼らの時代背景を考えれば、娯楽としての作品作りを
目指していたはずであり、決して高尚な歴史小説まがいの
作品を志向していたはずもないでしょう。
商業的な成功を目指していたはずであり、雑誌の廃刊を
最も恐れながらの活動であったはずです。
にもかかわらず、社会の底辺にある問題提議や深淵な
人間の営みの不可思議さ、いわば曼荼羅模様の世界感を
表現し、品格ある文学作品に仕上げています。
壮大な大陸の開拓者でありながら、先駆的な求道者を
連想させる作者に頭が下がる思いです。

数百年後の今に残る商業的絵画が人類の資産と呼ばれる
ように、カムイ伝もまた後世で同様な評価を得るように
なるように思います。


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[投稿:2017-11-07 18:01:01] [修正:2017-11-07 18:01:01] [このレビューのURL]

歴史文学のような、あるいは大河ドラマのようなテイストがあります。
漫画版大河ドラマがぴったりくる形容ですね。

歴史の起伏をさも大事に描くのではなく、龍という一人の
人間の目を通して、あくまでもその時代を生きた人間の
今を淡々と書き記していくスタイルです。
もちろん、命を狙われる、追われるのアクションやスリルが
ドラマの中に散りばめられているのですが、それは
大局的には些細なことのように思えるから不思議です。

龍の視線の先には、水平線の向こうがあります。
その志の高さに人間としての器や爽やかさを感じます。
これが本作品の魅力です。
決して歴史が先にあって、人間がその流れの中に
生きているのではなく、当然のことですがその真逆なんだと
いうことを強く感じさせられます。


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[投稿:2017-11-03 21:02:09] [修正:2017-11-03 21:05:33] [このレビューのURL]

ストーリーも何もないのですが、何とも雰囲気があって
純文学に近いテイストを持った作品でした。
和服を着こなすヒロインなので、独特の色っぽさが生まれます。

漫画が文学に近づこうと頑張って試行したという感じでしょうか。


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[投稿:2017-10-22 12:21:29] [修正:2017-10-22 12:21:29] [このレビューのURL]

作者の説明によると、TIME KILLERとは「暇つぶし」
「娯楽」の意味だそうです。
何かの制約なしに自分の書きたいものを描き続けて、
その蓄積を短編集として世に表したという感じです。
それが暇つぶし程度になればという意思表示でしょうか。

ところどころに目を引く作品があって、気分転換の一冊と言えます。
中でも「主と某」「乙女の祈り」「深山鶯邸事件」は良かったです。


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[投稿:2017-10-19 18:37:02] [修正:2017-10-19 18:37:02] [このレビューのURL]

霊能力を持っていることで人の背景や裏事情に通じてしまう。
そのことが結構悲しく辛いことを知ってしまったり、
引くに引けない諸般の世事を引き受けることになって
しまう人々のお話です。

ホラーっぽくならず、雰囲気を醸し出すことに成功していると思います。

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[投稿:2017-10-05 02:53:05] [修正:2017-10-05 02:53:05] [このレビューのURL]

芸能界やテレビ局を背景にした妄想エロ漫画です。

思春期向け作品なので軽くスルーすればよいのですが、
それなりのドラマ性もあって主人公への感情移入も
若干感じることができる点もヨロシイと思います。


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[投稿:2017-09-28 17:02:38] [修正:2017-09-28 17:02:38] [このレビューのURL]

原作者によれば「ラブコメのふりをしたホラー作品」だそうで、
そう解説されると納得できる部分はあります。
何を考えて生きているのか分からないJKという生き物は、
ホラーになりますから。

オムニバス形式なのですが、画は綺麗で1作1作が
丹念に作成された感じが好印象です。

しかし、理解できない生き物JKがくりなす物語には、
なかなか感情移入はできないので漫画としては失敗でしょうか。

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[投稿:2017-09-25 20:38:06] [修正:2017-09-25 20:38:06] [このレビューのURL]

エセ自伝的作品だそうです。
何か朝倉さんの持つ感性に共感なり共振なりが必要なのでしょうね。

明らかに知恵の足らないマリエ以外には男性的振る舞いの
多い女性が多数登場するのですが、
残念ながらつまるところ「私は恋愛したいんだ。」としか
叫んでいないように見えます。
深い渇望とは、結局はエロスなのでしょうか?

どうでもよい、どうとでもしてくれという感想が残ります。


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[投稿:2017-09-24 15:50:47] [修正:2017-09-24 15:50:47] [このレビューのURL]

雰囲気のある描画、雰囲気のある設定、これだけでスタートさせて、描いている間に何かが加わるだろうという、行き当たりばったりの作品でしたね。

泣ける話を作りたいけれども、何も思いつかない。
その挙句ひねり出したのが、猿の親子の絆の話だったり
(これで1巻を使った)、妹の復讐のために演奏会に
嫌がらせに来るやくざの兄貴との対決(これで2巻を使った)
だったりするわけです。
主人公たちのドジや誤解がどんどん事態を悪化させる様は、
もうドタバタ劇になってしまっており、感動も何も起こりようがないわけです。

素晴らしい設定、背景に期待が大きかっただけに、失望が大きい作品でした。


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[投稿:2017-09-17 06:55:14] [修正:2017-09-17 06:55:14] [このレビューのURL]

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