「朔太」さんのページ

総レビュー数: 820レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

伝説の作家の一人、吉田秋生の出世作。

絶世の美女で、地元の由緒ある資産家の孫娘・小夜子が主人公です。
美しいが故に常に男たちから邪まな欲望を抱かれて来た小夜子の
復讐心の凄まじさには背筋が凍るような恐ろしさを感じます。
今も根底には脈々と流れている男尊女卑の風習に泣かされ
続けて来た女たち全ての復讐心の象徴が彼女の存在であるか
のように感じられます。

完璧な女が行う計画と行動は、慈悲の心を持つ反面、
人を罰するという神をも恐れぬ所作になっており、人知を超えた
“天祥天女”のごとくということでしょうか。

漫画ではありますが、文芸的な小説の世界を強く感じさせる作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-25 05:11:55] [修正:2017-05-25 05:11:55] [このレビューのURL]

プロレスラーである父を再起不能に追いやった柔道王を
倒すことを目的に、アメリカ修行に励み数々の難敵を
倒していきます。
天才肌であり快活楽天的な天然風キャラの主人公なので、
あまり深刻な復讐劇にはなっていません。

一方で、先々の展開が読みやすく、進展も遅く
格闘系にしては血沸き肉躍る感覚に物足りなさを感じました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-22 19:48:05] [修正:2017-05-22 19:48:05] [このレビューのURL]

水戸黄門漫遊記を連想させる連載当初の不出来ぶりの
せいで、途中から読み進めることができなくなって
しまいました。
ここでのレビューを見させてもらうと、数巻先からは
興味が湧きそうな展開も期待できそうですね。

しかし、一方で私が当初感じた通りの予定調和的な
違和感を感じるレビューも多いようですので、
私は続きを読まないことに決めました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-19 03:56:41] [修正:2017-05-19 03:56:41] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

1巻を読んだ時点では、添い寝を求める女性たちの深層心理に
ものすごい関心が湧きました。
深く傷つく彼女たちに焦点を合わせて、様々な背景を抱えた
女性たちの物語が紡ぎだされるのだと大いに期待しました。

・・・が、残念。
何故かそんな展開にはまるでならず、シオだけが元旦那の
影を引きずり、新たな男性関係の中で陳腐な三角関係に
はまっていく。
草食系男子に囲まれ、その真ん中で「誰にしようか?
でも選んでしまうと誰かを傷つけてしまう。
ああなんて可哀そうな私・・。」という少女趣味的大人の
恋愛模様で終わってしまいました。

あああ、勿体ないなあ。
設定倒れで終わってしまい、良作になり損ねた作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-16 04:44:20] [修正:2017-05-16 04:44:20] [このレビューのURL]

三味線というマニアックな芸能の世界なので、興味をもてるか
どうかで面白さが相当変わるものと思われます。

私は、芸の深さに共感できなかったので、評価は低くなりました。
7巻あたりまでの三味線甲子園は、バトルの様相になり、
少年誌らしさを出そうとしたのでしょうが、それほど効果は
なかったように思います。
というのも、音が伝わらない読者に共感を得るのは無理でしょう。

8巻以降の修行編は、言葉で説明される感性が理解できない
面はあるものの、単純に天才が弾いているから素晴らしいで
済ませてきた7巻以前とは違う複雑さがやや面白さを増しました。

連載は長く続いていますから、概ね読者には好評なのでしょう。
私は9巻までとします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-04 17:28:43] [修正:2017-05-04 17:28:43] [このレビューのURL]

シリーズは第5部まで連載中のようですが、第二部の
中退アフロは、モラトリアム人種であるいわば
プータロー族の偉大なる生態ギャグマンガになっています。
10巻を一気に読ませる力のある漫画です。

プータローに関してのあるある話が特に秀逸です。
白石に代表される女性も世俗にまみれた計算高い方々が
よく登場してきて花を添えます。
多くの人に支持されるのは、恥ずかしい青春の怠惰な
一時期を誰もが共有しているらしいことを意味して
いるかもしれません。

忘れられない作品になりそうです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-05-01 23:27:40] [修正:2017-05-01 23:27:40] [このレビューのURL]

居場所を見失った中学生は高校生になった頃には、
相当偏屈か孤独になっているだろう。
そんな似た者同士の3人の男子高校生がフラメンコの
世界に自分の居場所を発見するお話です。

少し強引な展開とは思いますが、居場所が見つからない
高校生の苦悩はどこの誰にでも有りがちですから、
とても共感しますね。
大学受験やスポーツという王道で打ち込める当たり
前の青春は、それだけで十分に幸せなのかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-28 04:02:04] [修正:2017-04-28 04:02:04] [このレビューのURL]

言わずと知れた鳥山明の第一代表作です。
描画が美しく、ディズニーのように一筆で可愛いキャラクターを
描き分ける高度な技術力に裏付けされた作画力でした。
背景などがシンプルでいずれも無邪気な登場人物なので、
のどかなペンギン村のドタバタ劇も幸福感で一杯になります。

たった4年間の連載だったようですが、その後のTV放映などで
超人気アニメとして一世を風靡した作品ですから、アラレちゃんの
名前と風貌を知らない当時の日本人は皆無だったような気がします。

健全な日本文化の育成に一役買ったと言っては、言い過ぎでしょうか?
ただし、ギャグそのものは子供っぽく、私にはあまり大笑いできる
ところはありません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-24 19:54:27] [修正:2017-04-24 19:54:27] [このレビューのURL]

ワインに関する薀蓄が柱になって、ワインの出自、背景を絡めて
ヒューマンな物語を紡ぐというパターンです。
ワインを主題にした類似作品として、ソムリエ、神の雫などが
ありますが、本作品はほぼ最後発になるかと思います。

主人公が女性という差別化をしたお蔭で、やわらかいヒューマン
ドラマの雰囲気が良く出ましたが、プロでもなく、孤児院育ちの
主人公がワインの知識や試飲の機会に恵まれたというのは
違和感がありますね。

第一話から主軸になっていたのは、主人公にとっての
足長おじさんに関する謎です。
が、2巻あたりからは放置されてしまいました。
あれはどうなった、といぶかしく思っていると突如18巻で
陳腐な過去の出自が明かされるという、つじつま合わせの
ような展開には失望してしまいました。

ワインの知識の世界はあまりに広大で、関心を持てる人以外には、
ちょっと辛い作品かもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-19 19:41:51] [修正:2017-04-19 19:41:51] [このレビューのURL]

神に仕える神使であるお狐さんの銀次郎が、タイトルでもあり主人公です。
しかし、実際のお話は神社の娘を中心に展開します。
ぎんぎつね自身は常にお昼寝中で、自身のセリフに「人間の生活に
口出しはしない。常に見つめているだけだ、何十年も何百年も。」
とあります。
この穏やかさ、静寂さの中に混じる人間の営みが、何となく愛おしいのですね。
これといった事件もワクワクする展開も一切ありませんが、ゆったりとした
時間の流れを感じる魅力がこの作品にはありそうです。
ただし、人によっては面白みの少ない展開に評価が下がるかもしれませんが。

神社フェチあるいはオタクのための知識も満載です。
ちなみに神主と宮司の違いは分かりますか?
神主というのは神職というか職業を表す俗称のようです。
決して役職ではないそうです。
一方の宮司は神社の責任者を務める代表者のことだそうです。
こんな知識がおまけのページで満載です。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-16 13:28:28] [修正:2017-04-16 13:28:28] [このレビューのURL]

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