「朔太」さんのページ

総レビュー数: 820レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

しっかりと集中して15巻を読みふけってしまいました。
強烈、壮絶な怨念や執念、復讐といった言葉が残思念として残ります。
画は必ずしも上手ではないですが、思念を表現する手法は卓越した
ものがあって、圧倒されます。
残酷、残虐の極みと批評される向きもありますが、画が上手く
ないせいなのか、私はそれほどでもないと思いました。

シグルイの意味は、「死狂い」にかけてあって、死と隣り合わせの
人たちの生きざまのようですね。
まさに、死と隣り合わせの世界が存分に表現できていました。
初めての世界感で堪能致しました。


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[投稿:2017-08-23 18:25:23] [修正:2017-08-23 18:25:23] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

かつては高級男娼だったアッシュの生育歴は悲惨きわまりないものです。
7歳で中年男にレイプされ8歳でその相手を撃ち殺し故郷を出奔した後、
町で自分の腕と才智で這い上がり、不良少年のボスとして君臨します。
生き延びることが最優先だった彼にとって周りの者は皆敵でした。

その時に出会った英二は、まるで正反対の世界に住む2人でした。
英二はアッシュのすべてを受け入れます。
彼が何をしても、彼がどんな顔を見せても、彼のすべてを
そのまま受け入れるます。

アッシュがずっと欲しかったものを、幼い頃から一度も
もらったことがなく、だからこそずっと欲しかったものを、
英二は惜しむこともなく溢れるほどくれるのです。

これは男性同士の恋愛話だったのでしょうか。
あるいはこの世の地獄に住む人々を救う救世主の物語なのでしょうか。

一種の映画作品を鑑賞するかごとく錯覚を与えるドラマ性が本作品にはありました。

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[投稿:2017-08-18 06:16:34] [修正:2017-08-18 06:16:34] [このレビューのURL]

一言で言えば、「はじめての人も解るロードバイクの
楽しみ方」という内容の教本にも使えるストーリー漫画です。
自転車協会とかいう類の団体(実際に有るかもしれない?)
が、ロードバイクの普及のために、雑誌社と共同企画した
のだとも思えるくらいです。
コアな説明と初心者注意事項、ロードバイクの諸事情、
歴史などなど薀蓄も沢山てんこ盛りされた上、何か事情
有りのバイク毛嫌いの主人公が再びバイクにのめり
込んでいく過程では、ママチャリか安物マウンテンバイク
しか乗ったことのない私にも、始めてみたくなる
ような衝動が湧きあがってきました。

本当にロードバイクには、メカロスなどは徹底排除
されて最高効率の乗り物になっているなら
快適なスポーツかも?と思わせてくれました。

人物画の描き分けがあまりうまくなく、髪型でしか
判別が難しいのが残念で、10人くらい登場人物が
増えてくると、誰だっけ?となる感じです。
しかし、セリフやキャラの立ち方などは粋です。
一見冴えない風貌の主人公もそこそこモテる理由が理解できます。

連載初めは、輪が主人公と思いましたが違うんですね。
走り出したら止まらない性格の女子高校生って設定で、
本当にどこまでも走って周囲を困らせています。

ほのかな恋心もちらほらさせていて、なかなか秀逸な作品でした。

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[投稿:2017-08-15 06:37:36] [修正:2017-08-15 06:37:36] [このレビューのURL]

すみません。最初に謝らせてください。
連載が長いのだからそれなりのファンもいらっしゃるのでしょう。
でも8巻まで買いそろえた私ですが、3巻で挫折しました。
その先を読もうとしても読めないのです。
絵も綺麗で女性も魅力的。
でも・・・、つ、つ、つまらないいい・・ひぃぃ。

漫画家さんに敬意を払う私なので、こんなことは絶対したく
ないのですが、ああ、読もうとしても、
どうしてもこんな無駄な時間は過ごしたくないと心が訴えるのです。

勿体ないですが、残りの本もこのまま処分致します。

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[投稿:2017-08-12 05:17:39] [修正:2017-08-12 05:17:39] [このレビューのURL]

3点 軒猿

戦国時代の上杉方忍者群軒猿、武田方三つ者、北条方
風魔の三つ巴戦を中心に、戦記を柱に据えた展開。
ではありますが、戦記物ではたとえば「センゴク」と
比較しますと、命のやり取りの厳しさの点では、
雲泥の差ですね。

妙に現代のヒューマニズムを正しい価値観として
混ぜ込むもんですから、非情な時代背景に現代劇を
持ち込む無茶苦茶なお話になってしまっています。
例えば、戦火にあって敵の忍者が襲ってくるかも
しれない状態で、人の良い主君景虎が部下である
忍者たちに酒を振る舞う場面があったり、主人公
未熟者忍者が主君を呼び捨てにして、それを嗜めも
しない周囲だったり。
いつまでたっても半人前の主人公でも周囲が温かく見守ったり。

「ギミック」でも感じた漫画だから許される感の
違和感は、この作者ならではのものらしく、
私には合いませんでした。

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[投稿:2017-08-05 06:02:02] [修正:2017-08-05 06:12:39] [このレビューのURL]

女性のための大人になって奏でる夢物語。

いくつになっても、現実がどうであっても、
女性は支持してくれる共通のパラダイスを
オールカラーの短編で表現します。

確かに、男性が見ても美しい背景と羨ましいほどの
別世界です。
何といっても物語の中心には、誰からも好かれる
ような美しい男女がいます。
これがややたれ目で絶世の美女ではないんですね。
(男はワンパターンのヤサ男。写真を見る限り、
わたせせいぞう自身がモデルにも見える。)

柔らかい線と明るい色使いのイラストも超一級品です。
デパートかなんかでわたせせいぞう氏の個展を
見た記憶があるほどです。
このイラストに影響を受けた画家さんはたくさん
おられるようです。
わたせせいぞうの名前を知らなくても、このイラスト
はどこかで一度は目にされているでしょう。

メルヘンチックで誌的な文章、言葉の選び方も一流です。
ベースとなる短編ストーリーも大人のための絵本と
呼んでも差し支えないほど素敵です。

わたせ氏は現在大学教授をされているようですが、
同氏の演出や技法は学問として論理的に体系化され
後世に残っていくことは素晴らしいと思います。

しかし、最後に一言だけ。
男性の一部には、ハートカクテルの世界に
アレルギー反応を示す人は少なからずいたかもしれません。

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[投稿:2017-08-01 02:59:51] [修正:2017-08-01 02:59:51] [このレビューのURL]

これまで見たことがない新鮮な作品。

女子していない女子高校球児が主人公で、
漫画だけの特異性があるように思うけれども、
ここまで極端でなくても女子の中には
結構精神的にザワさんしている子がたくさん
世の中にはいるように思う。

そんな男に媚びない一途な女子への憧れが、
作品を読み進める上で強い動機づけになっている。
一途に頑張る人を女子が好きになるだけでなく、
男子だってそうなのである。

そんな女子をできるだけ冷静に見守って
いこうという高校球児たちも美しい。

記憶に残る作品であることは間違いなし。

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[投稿:2017-07-29 15:49:26] [修正:2017-07-29 15:49:26] [このレビューのURL]

7点 Odds

ロードレーサーの主人公が生活苦解消のために、競輪に転向する。
多くのライバル達と巡り会い、競輪の頂点を目指す。
ですが、本編では競輪学校卒業までのお話で終結しました。

魅力は、競輪レースの駆け引きや戦略が他のスポーツにない
くらい巧みで、基礎的な脚力だけでは勝負に勝てない世界
であることがよく理解できます。
それは、先行者を風よけにすると圧倒的にエネルギーを
温存できること、周回のために内回りと外回りで距離が
異なること、と言って内回りでは前と横につけられると
抜け出せないために自ら勝機を作れないことなど、
主にレース参加者の位置取りで平等な競争には
ならないことが、競輪独特の複雑さを生み出しています。
その解説がキチンとされているので、競輪の面白さが
よく伝わってきます。
作者は相当、自転車が好きでロードも競輪も深い知識を持っていそうです。

また、師匠につく必要がある競輪の世界で、死神秋谷師匠との
出会いと交流は主人公の心の支えになっており、爽快でした。
一方で、主人公のキャラは、定番の猪突猛進型の直情単純
そのもので、少年誌で見飽きた感のある人物像です。
これを青年誌に持ってくるには、ひとひねりが欲しい
ところではあります。
登場人物も極めて多く、総勢主だったところで
30名以上はいそうで、誰が誰だが判別できません。

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[投稿:2017-07-23 18:32:46] [修正:2017-07-23 18:38:01] [このレビューのURL]

7点 SOIL

カネコアツシという漫画家を本作で初めて知りました。
筆ペンで描く世界感が極めて秀逸です。

おどろおどろしい背景はそのまま狂気に直結して
しまいそうな雰囲気を常に醸し出していて、
それでいて正気の論理は一つ残っているので、
単なるホラーでもないことに安心できます。
例えば、鈴白一家失踪の謎が10巻辺りでキチンと
説明されていたのは、21世紀少年とは異なり
フラストレーションを解消してくれています。

読み始め当初は、本作は非科学的現象を積み重ねる
SFあるいは人や集団心理の狂気を扱うホラーなのか、
あるいは伏線はりまくりの駄作なのか、
判断しかねるところがありましたが、
最終的には満足させてもらえました。
とはいえ、エピソードや枝葉の話も多く、雰囲気
つくりや謎かけ場面が多いので、結果的には無駄に
長話になったようにも見えます。

私は単行本で一気に読んだので苦にはなりませんでしたが、
連載中の読者なら多分途中から興味を失っていくだろうと
予想されます。

ドラマでいえばツインピークスのような名作の匂いを
漂わせつつ、根気よくついてくる読者を選ぶ作品という印象です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-21 19:53:41] [修正:2017-07-21 19:53:41] [このレビューのURL]

前作「鉄腕バーディ」の続編です。
文字通り続編で、あれから3年が経ちました、
というところから始まります。
背景も敵もほとんど変化なく、前作20巻、
続編13巻の長編の割には、ストーリーに起伏が少ないのが残念です。

相も変わらず可愛いお姉さんバーディの魅力が、作品価値の80%でしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-07-15 06:21:10] [修正:2017-07-15 06:21:10] [このレビューのURL]

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