「朔太」さんのページ

総レビュー数: 818レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

上質の典型的少年誌王道漫画と言えます。
相撲がしたい五所瓦の周りに、決してエリートとは
呼べない仲間たちが集まって、非力ながらも知力や努力、
呼び込む運で、大会を勝ち上がっていきます。

言葉は少ないけれど、不足を自身の努力だけで補っていく
五所瓦の姿勢は、男として、やはり美しいの一言です。
仲間も彼の誠実さ、ひた向きさに共感して協力している
ことがよく伝わってきます。

一方で、タイトルは「泣くな、五所瓦」としたいくらい、
無償の友情に涙する主人公の印象が強いです。
さらには、真面目堅物の主人公に対して、上手く笑いを
とる脇役も配して、程良いバランスが感じられます。

時代的には、本作品以前のちばてつや作品「おれは鉄平」
や水島慎二「ドカベン」の影響が感じられますが、多くの
人が安心して共感できる王道漫画は、誰でもよいですから
引き継いでいってほしいですね。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-09-13 05:18:03] [修正:2016-09-13 05:18:03] [このレビューのURL]

8点 三国志

諸葛亮孔明をはじめとする曹操、劉備玄徳らの傑出した
人間集団の紡ぐ歴史劇は、いつの時代にも喝采を持って
民衆に受け入れられてきました。
蜀を正統・善玉として娯楽性を追求した「三国志演義」を
ベースに、本作は展開されています。

娯楽性があると言っても、史実が根幹にあるので、
ふっと冷酷な現実に戻される瞬間もありますが、横山光輝は
その部分も省略しないところは有り難いと思います。

「赤壁の戦い」等の史実、「三顧の礼」や「泣いて馬謖を
切る」などの故事を一般常識として学べる漫画としては、
一般日本人への貢献は大変高いと言えます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-08-16 17:28:44] [修正:2016-08-16 17:28:44] [このレビューのURL]

面白かったです。
久々に良質な漫画と巡り会えた感じがする良作です。

風土記という表題から想像してしまう展開を、
冒頭から最終話まで良い意味で裏切り続けました。
新展開への切り替えは早く、登場人物が次々と
新しい謎を提供していきます。
混迷する謎は、次への期待を増幅し、
一気に読ませてくれました。

最終局面から冒頭あたりの設定を振り返りますと、
仕掛けの巧妙さに唸ってしまいました。
中々の仕掛けが満載なので、長期連載を覚悟するので
あれば、話は倍に膨れ上がらせることもできた
でしょうね。

しかし、本作品がデビュー作品とのことで、
丁度良い加減の長さでスピード感たっぷりに
連載を終えることができました。
画はまだまだ上手くなると思います。
次回作品にも期待致します。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-31 18:33:19] [修正:2016-07-31 18:33:19] [このレビューのURL]

8点 タッチ

[ネタバレあり]

和也の事故以降の南と達也の二人の関係性の変化が、多くのセリフなしで
表現されていることが特筆されるでしょう。和也に対する喪失感と、どのように自分を
修復していくかという迷いを、文学以上に上手く表現されていて、リアルな
劇や映画でも難しい感情の機微が漫画で表現されているのはすごいことだと思います。
ここがしっかりしているから、怠け者の達也が以後、突然ヒーローに変化して
いくプロセスもほとんど違和感なく受け入れられるのです。

あだち先生の作品全部に言えることですが、ストーリ展開を追う楽しさ以上に
毎回毎号の男女の機微が嬉しいというか、キュンとする瞬間の表現が素晴らしいです。
だから、タッチであろうが、H2であろうが、ラフであろうが、何でも良くって、
主人公達也の目と口を借りて読者が南を見つつ、会話をしているのですね。
言わば、模擬恋愛をさせてくれる漫画とでも言えるのではないでしょうか。
ある意味で、偉大なるマンネリ青春漫画、とでも言えます。
褒めてるのか、腐しているのか分からないですが。

私は、2度、3度読み直しています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-04-10 09:44:07] [修正:2016-04-10 09:44:07] [このレビューのURL]

8点 SLAM DUNK

名作中の名作。井上雄彦がこの1作しか世に出せないまま絶命しても納得してしまう。
山王工業戦を終えた後のあっけないプロローグさえも十分自分なりに満足でした。
なんとなれば、それだけの燃え尽き感があったもの。
6年連載の中で、7戦、時間にして高1の春から初秋までの数か月なんだよな。
凝縮した青春という言葉がぴったりの感動だw。
自分も全巻を2日で読まずにいられなかったのでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-15 22:03:31] [修正:2016-02-15 22:03:31] [このレビューのURL]

火の鳥と並んで天才手塚治虫の集大成とも言える作品です。
人間として生まれてくるべきでなかったかもしれないほどのコンプレックスを持った
主人公ブラックジャックとそれ以上の悲しい運命を以降も背負うピノコの二人が
医療を舞台にヒーローでありヒロインになる痛快さが根源にある。
医療に救われる命や運命が、ブラックジャックが求める法外な治療費以上の価値があることに気づく。
なんということだろう、40年以上前に漫画という世界でこれを伝えようとした手塚がいた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-08 22:23:09] [修正:2016-02-08 22:23:09] [このレビューのURL]

一言でいえば、感じるはずのない熱を持った作品、である。
その熱さに浮かされて、考え方を変えさせられる人もいるかもしれない。
巻頭言の中で新井が、「人間の生命力に、生きていくたくましさ、しぶとさに、
美しさを感じます。」等の自身の価値観を毎巻掲載している。
他にも、「好きか嫌いかで物事を判断してきた。」、「我の強い人間が好き。」、
「生きている時間が有限だから仕事に意味や目的が欲しいです。」・・・
宮本に投影された考え方が並んでおり、まさにその通りの不器用生き方を物語として見せてくれる。

前半はビジネス編、後半はリベンジ編とできるだろう。
もっと続編をと望む向きも当時はあったろうが、熱に浮かされるのは宮本といえども、
実は人生の中でわずかな時間でしかないのかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-02-07 16:45:39] [修正:2016-02-07 16:45:39] [このレビューのURL]

医者の正義感で「目の前の人を助けたい。だから自分の腎臓を提供する。」という
無茶ぶりはとても子供っぽく、読むのを止めようかと思わせるくらいでした。
しかし、或る一点を突き抜けると、彼の自我(エゴ)ともいえる医者の本能というもので
説明されると納得できるようになってきましたから不思議です。
同様な反応していた主人公の周囲も同じでしたね。

難しい課題を背負う主人公ですが、最終巻あたりでは敵対してきた教授達が実は彼に
好意的だった等、スッキリとした完結で良かったと思います。

蔵書にして、この先何度も読み返したい作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-11-21 01:02:01] [修正:2015-11-21 01:02:01] [このレビューのURL]

一言で言えば、ビジュアル化された純文学。太宰治に通じる系譜を感じる。

小野寺雄一も含めたプン山一族は全員、自殺願望を抱きながら一縷の希望を人生に
託している。閉塞感と将来への未期待で全編が覆われていて、人生の重い課題を問う。

一方で、優れた画力が有りながら、思い切った主役一族の簡素化表現で奇抜さを装う。
その点で、芸術性は十分であり、インテリ読者だけを囲い込む。

こんな手法があったのかと驚いている内に、プンプンの人生に読者も関わりを持たされた
感じがする。読後感は良くないが、南場サチの菩薩に通じる母性で救われる。
シナリオの上手さで読まされる。一読をお勧めする。
13巻読破。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-07-03 00:26:26] [修正:2015-10-04 18:01:12] [このレビューのURL]

4コマギャグ漫画の形式をとりつつも、実は良き日本女子高校生の日常を気持ち良く表現した
シナリオ漫画とお見受けした。実際、1年生ではキャラの紹介レベルのエピソード集だが、
全体を通すと恒例のように夏休みには別荘合宿に出かけているし、文化祭も毎年
喫茶店で、運動会ネタも変化はなく、進学校らしき背景にブレがない。
女子高生に有りがちな恋愛談義は一切なく、教師も基本女性でキャラが立つ。

3年生時点では感情移入が完了していて、最終段近くには全員の大学合格を祈らずには
いられなかったし、13歳の天才少女の首席卒業を全員が拍手で祝福するシーンや
猫好き少女と西表ヤマネコの出会いと再会には感動する。

愛すべき少女たちの原型は、きっとあなたの身近にも潜在的にいたはずで、ここを
上手く描いてくれた男性作家のあずま氏には感服した。一押しです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-09-06 18:14:26] [修正:2015-09-06 18:15:12] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示