「朔太」さんのページ

総レビュー数: 825レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

青木雄二さんの独特の世界感をベースに、続編の
カバチタレ!他、数十年継続して受け継がれた
裏金融漫画の原点がこれですね。

青木雄二さんの功績は、その後の原作者を育ててきたことでしょう。
本作品が世に出た時点では、全く従来になかった
裏金融漫画であったと想像できます。
世の中の裏側では、金融やくざや今で言う半ぐれの
シノギの事情を世に伝えてくれた功績も大きいと思います。

借金の有無で人生が大きく変わっていく怖さに対して、
自分がこのような苦境にあった時の解決策を知りたい
という欲求がこの漫画を読ませる強い動機になっています。

漫画としての独特の個性があって、強い魅力を感じます。

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[投稿:2020-05-22 06:56:54] [修正:2020-05-22 06:56:54] [このレビューのURL]

ナニワ金融道では、罠をはる金融業側からのシナリオで、
高利貸しの内幕を公開してくれた痛快さがあった。
本編では、行政書士があくまでも正義側に立つ法律家の
視点であり、やや視点が明るい。

しかし、遺産相続、賃貸、貸借など人生の交錯点に立って、
人間生活の悪臭部分をドラマ化してくれる。
このドラマは法律的理解をしながら見ると一層面白いので、
一気読みも時間が掛かりますが、それだけの価値はあります。

普通の行政書士はここまでしないよね。対価に合わないもの。
13巻まで読みましたが、何とか続編も入手します。

<追加記入>
20巻全巻読破しました。
行政書士を法の専門家として呼ぶシーンが何度も出て
きますが、実際のところ街の行政書士さんは、手続き以上の
問題解決まで相談に乗ってくれるのでしょうか?
原作者も法の限界以上のところを話の展開上盛り込んで
しまっていると言っていますが、実務上一般市民にとっては、
それでも救世主です。

本来は、弁護士がその役割を果たしてほしいところですが、
基本的にはドラマに出てくるような悪徳権力者の
片棒の担い手か、市民運動で赤い色に染まった思想家
くずれの悪いイメージしか出てきません。

所詮、漫画の世界とは思いつつも、現実に起こる世間の
罠に嵌められる悲劇は存在するわけですから、
カバチタレの世界もある種の恐怖を感じざるを得ない
リアルさに読むふけってしまいました。
劇中の遊郭に身を落とす一般女性、借金地獄、DVなどは
ナニワ金融道の二番煎じというより、
原作者が監修しているので、長期連載が継続している感じです。


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[投稿:2012-08-26 19:03:55] [修正:2020-05-16 10:07:53] [このレビューのURL]

8点 紅い花

2020年1月、欧州最大規模の漫画の祭典、
第47回アングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を
受賞されたことで、本作品のことを思い出しました。

伝説の名作ですので、中途半端なレビューはできません。
おかっぱ頭のキクチサヨコという少女の名前は、
その後の多くの漫画や小説で見かけることがあります。
それは、つげ義春に対するリスペクトを込めたオマージュなのでしょう。

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[投稿:2020-05-01 11:15:16] [修正:2020-05-01 11:15:16] [このレビューのURL]

実在のプロ野球選手を題材にギャグマンガとして仕上げた
日本最初?の先駆け的作品でしょう。
その後も、江川や佐々木など個性的かつ天才的な選手を
ギャグの対象に抵抗なくできたのも、この作品が先行的に
あったおかげと思われます。

いしいひさいち氏のギャグは毒がなく、とにかく上品で
安心して笑えるので、好きです。
その後、となりの山田君はあの朝日新聞に採用された
ぐらいですから、文部省推薦漫画くらいの重みがありそうです。

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[投稿:2020-01-12 07:48:45] [修正:2020-01-12 07:48:45] [このレビューのURL]

血のつながらない幼子を行きがかり上、引き取った時点で
ドラマが生まれるのは必須でしょう。
親子物語が延々続くことを想像しましたが、案外違っていました。
子どもを通したシングルマザーのつらい現実や子育てを
放棄する母親の問題など展開はバラエティーでしたね。

何といっても、8巻あたりからの最終話に至る二人の
関係性の変化には驚かされました。
主人公にはいつも心に刻まれた場面として、幼子が
思いのたけをぶつけて泣く姿を放っておけない
シーンが最初にある訳です。
その気持ちが全ての始まりだったわけですが、
読み終わった後もとても共感できます。
その時に生まれた主人公の覚悟が始まりであり、
全編を貫く人の優しさの原動力だったと気づきます。
良い作品だと思います。

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[投稿:2020-01-08 01:00:04] [修正:2020-01-08 01:00:04] [このレビューのURL]

TVアニメでその存在を知りました。
見ればみるほど、大人の感性に訴える内容ですので、
これを子供がどのようにとらえているのか、
不思議でした。
子どもを子ども扱いしない尼子さんのギャグセンスが
素晴らしいです。

あまりに長期連載だったので、その一部しか読めていない
のですが、多くの子供たちに支持されたように思います。

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[投稿:2019-12-04 18:16:29] [修正:2019-12-04 18:16:29] [このレビューのURL]

8点 DEATH NOTE

[ネタバレあり]

世界累計発行部数3000万部以上、1部当り200万部以上のメガヒット作品。
連載開始時から毎号の展開を追っていた記憶がある。
次号の展開は凡そ予測するものだが、
展開スピードが速く、1週分の情報が重い。
とても漫画の領域ではなかった。

しかし、エル無き展開に期待以上のものは得られず、
後半はやや失速気味か。
デスノートの設定なら、犯人と探偵の頭脳戦以外の
展開にも持ち込めただろうから、
「もう一つのデスノート」も在り得るのではないか?

<追記修正>
改めて12巻全巻を再読しました。
初めて読んだ時の感動は蘇らなかったのは意外でした。
むしろ論理のアラが目立ち、夜神月がそれほど緻密な
論理性を駆使しているように見えませんでした。
展開の結論に影響を受けた訳ではありません。

世界のどこにいるのかわからない、かつ絶対的な超能力と
力の根源も明らかでない絶対的存在のキラが、
数限りない失策とボケをかまして追い込まれていく訳です。
その過程で、最大の違和感は、TV放映に出た最初のLの
偽物をその場で感情的に殺してしまうことです。
このことで一気に、キラは日本の関東地方に住んでいる
ことが分かり、70億人の内1千万人に絞られてしまい、
FBI捜査官にちょっかいを出すことで、数十人に絞られます。
馬鹿としか言えません。普通、放置するでしょう。

容疑者がライトになって以降では、理屈臭くて次第に
感動は薄くなっていきます。
具体的には、絵で見せる漫画ではなく、文章で説明する
漫画になってしまったことが、質を落としてきた原因でしょう。
良い素材と設定なのだから、アナザストーリー2,3があり得ると考えます。


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[投稿:2011-09-25 16:04:47] [修正:2019-11-17 16:24:24] [このレビューのURL]

秋本治のアシスタントを長く務めた人らしく武器の
メカニックに見るべきものがありますが、
ストーリー展開にはほとんど関連しません。
むしろ、砂防コートやヘルメットはシンプルで
かわいい絵柄を醸し出しています。
格闘シーンも力技ではなく、ワイヤーウィンチを
利用した空中戦が戦闘の悲惨さを軽くしています。

背丈も小さく、ちょこまかした機動力で戦う姿は、
むしろ可愛く、ヘルメットに描かれた無表情な案山子の
ような味わいを生んでいます。
特に私は小砂がとてもお気に入りでした。

13巻まで読みましたが、12巻までの展開と
今後は変質していくようですね。
少なくとも13巻は小砂編が始まりました。

うすね氏も大病による2度の休載を経てるようで、
元の味わいを失わないよう頑張ってもらいたいと思います。
なにぶん20年越の良作です。


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[投稿:2019-07-31 03:26:32] [修正:2019-07-31 03:26:32] [このレビューのURL]

今更ながらドラゴンボールを論評することに、
気恥ずかしさがある。
それほどに歴史に残るお化けヒット漫画でありアニメである。
ドラえもんとともに日本人のみならず、世界中に配信された。

少年期は西遊記や南総里見八犬伝のオマージュであることは
作者もさすがに認めるだろうが、鳥山氏の本来の持ち味で
ある子供ギャグ(うんちとかおっぱいとか連発する)が
中心でアラレちゃんの延長線上だった。

しかし、世界征服者や地球侵略者が現れるや突然バトル編へ
突入する。
これは少年ジャンプの伝統的な編集方針であり、圧倒的な
絶望をより強い克己心でもって、これを克服し敵を倒す。
当初は正義が大義にあったが、次第に戦闘狂になって
くるあたりは、時代が許容しだしたせいだと思う。

いずれにしても、少年はいつの時代にも、どの国に
生まれても、絶対に興奮し自分の身に置き換えてしまう
世界と設定と戦闘を完璧な形で世に提供した功績は大である。

こんな漫画は二度と現れる気がしない。

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[投稿:2019-07-26 05:34:37] [修正:2019-07-26 05:34:37] [このレビューのURL]

最愛の人を失うこと。
若い頃なら、親。親になれば、子。壮年期には、伴侶。
想像するだけで、人生の意味を失うことでしょう。

こんな経験は、それほど多くの人がするわけではないけれど、
生きていく中で、仕方なく受け止めるしかないことでしょう。

慟哭。
これを作品にしようという気持ちは、プロだからなのでしょうか?
そうではなく、その傷が癒えて、
振り返る自分は別の人生が歩めているから、と信じたいです。

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[投稿:2019-05-17 01:30:46] [修正:2019-05-17 01:30:46] [このレビューのURL]

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