「朔太」さんのページ

総レビュー数: 819レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

作者の説明によると、TIME KILLERとは「暇つぶし」
「娯楽」の意味だそうです。
何かの制約なしに自分の書きたいものを描き続けて、
その蓄積を短編集として世に表したという感じです。
それが暇つぶし程度になればという意思表示でしょうか。

ところどころに目を引く作品があって、気分転換の一冊と言えます。
中でも「主と某」「乙女の祈り」「深山鶯邸事件」は良かったです。


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[投稿:2017-10-19 18:37:02] [修正:2017-10-19 18:37:02] [このレビューのURL]

霊能力を持っていることで人の背景や裏事情に通じてしまう。
そのことが結構悲しく辛いことを知ってしまったり、
引くに引けない諸般の世事を引き受けることになって
しまう人々のお話です。

ホラーっぽくならず、雰囲気を醸し出すことに成功していると思います。

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[投稿:2017-10-05 02:53:05] [修正:2017-10-05 02:53:05] [このレビューのURL]

競争馬の馬主、生産者、調教者、騎手、記者のそれぞれが
馬を愛し、育み、世に出し、競馬の歴史を紡いでいく
様子が理解できます。
淡々としたシナリオ展開です。

ティオなんか7冠馬を目指します。
ハイ、勝ちました、なんて調子なので、盛り立て場を
見落としがちです。
中でもスーパーキングオーが菊花賞を制した場面が
見どころでしたが、その後は低調。
リアルといえばリアルですが、漫画としての見どころは失速しました。

良くも悪くも大人向け競馬漫画というところでしょうか。

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[投稿:2017-08-30 00:42:55] [修正:2017-08-30 00:42:55] [このレビューのURL]

現実と非現実のハザマにある人の心にあるミッドワールドへ
潜入できる超能力少年が主人公です。
パートナーとなる少女とともに、傷ついた人々の心を癒し、救っていく活躍劇です。
深層心理に潜む事件を中心にしたヒューマンドラマが展開されています。

ハートウォーム物語というセールスコピーに魅かれて読ませてもらいました。
子どもも大人も心が疲れ、重たくなった現代ならではドラマと言えます。

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[投稿:2017-08-26 05:42:12] [修正:2017-08-26 05:42:12] [このレビューのURL]

原作を読んだ記憶は少ししかないのですが、再々にわたり再放送されていたであろうテレビアニメでは鮮明な記憶があります。
明らかに幼児や年少者向け性教育を意図されて企画制作されています。
漫画が持つ可能性を限りなく追及してきた、手塚治虫氏の当時としてはとても挑戦的な作品と言えます。

ただし、お下劣にならないよう配慮し過ぎて、現代的にはまるでEテレか教科書的な臭いがします。
当然、時代的背景が考慮されないと不当な評価になるかと思います。


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[投稿:2017-06-25 07:27:23] [修正:2017-06-25 07:27:23] [このレビューのURL]

6点 OUT

アウトサイダーを描いたものは、類型的には
1.高校生以下の友情ギャグもの(A-BOUT!他)、
2.高校中退以降の族の暴れっぷり(BADBOYS、女神の鬼他)、
3.社会人のアウトサイダー 
4.ビジネスマンを装う本物の大人悪  
があるかと思いますが、本編は2と3の中間的位置づけです。

二度と少年院には戻れない、戻らないという切実さがある
のですが、性根は喧嘩がしたくてたまらない訳です。
話中に「色々なものからはみ出し人生を踏み外して、
文字通りアウトの世界に足を踏み入れた人間は、
自由であるようで実は大きな責任を自らに課すことになる。
・・・アウトの世界の入り口で引き返せる人間は少ない。」
とあるト書きが、本作品の主題のような気がします。

アウトローの世界にしては、画は綺麗で主人公への感情移入も
しやすい設定です。
類似作品の中では、比較的好印象が持てます。


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[投稿:2017-06-11 17:45:40] [修正:2017-06-11 17:47:21] [このレビューのURL]

伝説の作家の一人、吉田秋生の出世作。

絶世の美女で、地元の由緒ある資産家の孫娘・小夜子が主人公です。
美しいが故に常に男たちから邪まな欲望を抱かれて来た小夜子の
復讐心の凄まじさには背筋が凍るような恐ろしさを感じます。
今も根底には脈々と流れている男尊女卑の風習に泣かされ
続けて来た女たち全ての復讐心の象徴が彼女の存在であるか
のように感じられます。

完璧な女が行う計画と行動は、慈悲の心を持つ反面、
人を罰するという神をも恐れぬ所作になっており、人知を超えた
“天祥天女”のごとくということでしょうか。

漫画ではありますが、文芸的な小説の世界を強く感じさせる作品です。

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[投稿:2017-05-25 05:11:55] [修正:2017-05-25 05:11:55] [このレビューのURL]

ワインに関する薀蓄が柱になって、ワインの出自、背景を絡めて
ヒューマンな物語を紡ぐというパターンです。
ワインを主題にした類似作品として、ソムリエ、神の雫などが
ありますが、本作品はほぼ最後発になるかと思います。

主人公が女性という差別化をしたお蔭で、やわらかいヒューマン
ドラマの雰囲気が良く出ましたが、プロでもなく、孤児院育ちの
主人公がワインの知識や試飲の機会に恵まれたというのは
違和感がありますね。

第一話から主軸になっていたのは、主人公にとっての
足長おじさんに関する謎です。
が、2巻あたりからは放置されてしまいました。
あれはどうなった、といぶかしく思っていると突如18巻で
陳腐な過去の出自が明かされるという、つじつま合わせの
ような展開には失望してしまいました。

ワインの知識の世界はあまりに広大で、関心を持てる人以外には、
ちょっと辛い作品かもしれません。

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[投稿:2017-04-19 19:41:51] [修正:2017-04-19 19:41:51] [このレビューのURL]

神に仕える神使であるお狐さんの銀次郎が、タイトルでもあり主人公です。
しかし、実際のお話は神社の娘を中心に展開します。
ぎんぎつね自身は常にお昼寝中で、自身のセリフに「人間の生活に
口出しはしない。常に見つめているだけだ、何十年も何百年も。」
とあります。
この穏やかさ、静寂さの中に混じる人間の営みが、何となく愛おしいのですね。
これといった事件もワクワクする展開も一切ありませんが、ゆったりとした
時間の流れを感じる魅力がこの作品にはありそうです。
ただし、人によっては面白みの少ない展開に評価が下がるかもしれませんが。

神社フェチあるいはオタクのための知識も満載です。
ちなみに神主と宮司の違いは分かりますか?
神主というのは神職というか職業を表す俗称のようです。
決して役職ではないそうです。
一方の宮司は神社の責任者を務める代表者のことだそうです。
こんな知識がおまけのページで満載です。


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[投稿:2017-04-16 13:28:28] [修正:2017-04-16 13:28:28] [このレビューのURL]

面白い設定に引き込まれます。
大量殺人犯も裁判時点で悔悛の情が認められれば、死刑にはならない
のですよね、日本の実状では。
だから、本作品のようなケースである従順で社会適応性があって、
周辺の人間が同情するような死刑囚は、現実には存在しないはず、
とウガッタ目でみてしまうほど、やや非現実的な世界のような気がしました。

死刑制度について論評は避けたというより、そこに主題はなく、
行動に極限的に制約を受ける人間が何に生きがいだとか、幸せを求めるのか、
という点に見どころがあったように思います。

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[投稿:2017-03-26 17:33:35] [修正:2017-03-26 17:33:35] [このレビューのURL]

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