「朔太」さんのページ

総レビュー数: 819レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

御坂美琴の女子中学生ぶりが炸裂する日常と超能力レールガンを
工夫しながら敵と戦う非日常が、うまいバランスで展開されています。
女子中の学園生活に適度なゆるさがあります。
レベルの高い戦いが中心ですが、それなりに先を読みたくなる
感動も配してあって、楽しめました。


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[投稿:2017-03-09 21:51:40] [修正:2017-03-09 21:51:40] [このレビューのURL]

警察組織に2つの特殊部隊組織があって、すなわち
SAT:警視庁警備部特殊部隊 Special Assault Team
SIT:警察庁刑事部特殊捜査班 Special Investigation Team
が凶悪犯などの排除、要するに狙撃も厭わない特殊部隊です。

しかし、日本という平和ボケした国家では、様々な制約があって、十分なコンセンサスが
得られているわけではない、という前提を理解しないと、この作品は楽しめません。
というのも、主人公たちの所属する新組織は、すなわち
NPS:警察庁特殊急襲捜査班 National Police Safetyrescue
の架空の組織なのですが、上記2つのS組織に加えて、必要性が理解しにくいのです。

読み進めますと、本来SATだけで十分なのですが、国民に十分必要性を認知されるためには、
排除ではなく確保を使命とする組織がその前に必要ということで組織化されたようです。
が、当事者のリーダーはその思惑以上にリベラルな考え方で、同時に主人公神御蔵は
拳銃を持たないで凶悪犯の前に立つ平和主義者なのです。

本作品の難しさというか、今一歩感情移入できないところがあるのは、SATやNPSに対して
イデオロギー闘争があって、どうやら原作者は主人公であるNPSに肩入れしているらしい
のですが、普通に考えてNPSなど不要で、SATを強化すべきと思えるところが原因です。
どう考えても凶悪犯の前に丸腰で立つ警官など非現実的でしょう。
だから、副題、”最後の警官”なのでしょうか?

娯楽作品としては、SATに一人で立ち向かう元警官の野戦は、良く練れていましたし、誘拐編も引き込まれました。

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[投稿:2017-01-09 17:24:45] [修正:2017-01-09 17:27:57] [このレビューのURL]

巨匠ちばてつやの初期の作品。
学校は大嫌いで喧嘩に明け暮れる毎日の主人公石田国松。
ハリス学園に迎え入れられるや、野球、剣道、ボクシング、
サッカーと運動万能ぶりで大活躍します。
しかし、元来がヒーロータイプの主人公は絶対出てこない
同氏の漫画ですから、乱闘騒ぎになったり、対抗して
新拳闘部を立ち上げたり、とその都度違った形の活躍を
します。

単純に学園スポーツものかと言えばそうでもなく、自身の
活躍を新聞記事をしてしまうような文化部的な活躍もあったりします。
父が交通事故に遭えば、一家を支えるために学園を一時的に
離れアルバイトもしたりと縦横無尽な展開に驚きます。

ちばてつや氏の原点とも言える作品です。
漫画・アニメファンは一読してほしいです。

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[投稿:2016-12-14 21:31:08] [修正:2016-12-15 12:16:30] [このレビューのURL]

8年に亘る連載と24巻完結を思うと、長編ならではの一貫性とエンターテインメントを感じる作品でした。

<展開>
・前半は世間の小悪を見つけては退治する「世直しマン」の陳腐さが鼻につきます。世を忍ぶ冴えない街金サラリーマンを装いながら、小悪党と遭遇するなり「負債あり」とかなんとか言いながら自分の利益につながらない征伐をする単発読み切り風のお話が延々と続いていました。
10巻くらいまで続いた後は、主人公春居の過去との因果とからめて、巨悪の柳原代議士との対決が始まります。
隠されていたはずのヒーローの過去や正体まで敵に知られるようになってくると、それまでの無敵感からそれなりのハラハラ感が生まれてきます。
様々な敵味方あるいは正体を探るジャーナリストを並行に登場させるあたりは巧妙でした。

<作画>
・ベテラン細野不二彦ですので、安定した筆使いではありますが、いつまでたっても上手い絵とは思えないのは私だけでしょうか?
・一方で巨匠手塚治虫の影響を受けたかのような人物画も嫌いではありません。

<エンターテインメント性>
・ダブルフェイスの題名通りに、表裏の顔を持つヒーローの活躍は、前半は狙い通りとは言えず、飽きがくるものでした。
しかし、その表裏二面性が崩壊する危機が近くなればなるほど面白さが出てくるという構成でした。後半だれがちな作品が多い中で、最終話にかけて盛り上がりを見せる作品です。

ギャラリーフェイクとともに、長編2大作品として細野氏の代表作になりました。

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[投稿:2016-12-04 17:21:43] [修正:2016-12-04 17:22:55] [このレビューのURL]

浦沢直樹の初期短編作品集といった趣のある作品。

バンドで有名になるまでの、ほんの腰掛けで交番勤務の警察官をやって
いる若者、山下は、飲酒運転を見逃してやる代わりに、自分のライブの
チケットを売り付けるような警官です。
本業には身が入らず、バンドでの成功を夢見る彼には、警官なんて
仕事は腰掛けでしかありません。
そんな警官らしくない警官主人公山下が、毎回、ひょんなことから
思わぬ偶然を絡めて事件を解決していきます。

ご承知の通り、浦沢直樹氏はMONSTER以降とそれ以前で異なる作風を
見せています。本作品には、YAWARAやHAPPY!などのドタバタ
スポーツコメディと同じ作風を感じさせる同氏の基盤を伺わせます。

浦沢ファンには、ぜひ一読頂ければと思います。

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[投稿:2016-11-22 04:48:24] [修正:2016-11-22 04:48:24] [このレビューのURL]

お好み屋さんとかうどん屋さんとか、下町の小さな食堂には必ず置いてあったような気がします。
主人公暮流助の「桐の家」での修行が一流だったため、彼の作る料理は常に和食の粋を集めたものでした。文字通り包丁一本であらゆる料理がこさえられ、芸術を連想させます。
和食創作が芸術の域にあることは一部の人たちは知っていましたが、世に啓蒙した功績は大でした。
それも町のうどん屋さんを通じて。

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[投稿:2016-11-15 05:24:03] [修正:2016-11-15 05:24:03] [このレビューのURL]

弱小チームの第三野球部が、圧倒的な実力差を持った一軍や
強豪校を撃破していく様は痛快です。しかし、その勝ち方は
極めて不自然であり、「執念さえあれば何事も叶う」かの
ように全てが良い方に転びます。
まあ、しょせん漫画だから、と温かい目で見守る寛容さと
忍耐がやや必要でしょう。

22巻から飛翔編と改題した後は、プロ野球での活躍になり
ます。ここでも、活躍する自軍の選手は一握りで、投手に
至ってはあすなろ、桑本、柏木(しかも、ほんの少し)の
3名という不自然さ。
また、自軍を最下位に落として、それを口実に球団を売りた
いオーナーとの確執が主題で、飛翔編は負けさせたい
オーナーの妨害に遭いながらも、チームワークで切り抜ける
様を10巻にわたって続けます。
バカバカしくも、また非現実的ですが、これはこれで結構
純粋に頑張るあすなろや桑本に感動してしまいます。

幼稚ではありますが、少年誌の原点を見るようで、面白く
読ませてもらいました。
31巻と長編ですが、アッという間に読み切れました。

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[投稿:2016-11-06 17:02:33] [修正:2016-11-06 17:02:33] [このレビューのURL]

原作の魅力が全てです。
面白いと思うのも、面白くないと思うのも全て原作への依存度が高い作品です。

原作は大好評だったようですので、人間の深層的な欲望に共感する人が多かったのでしょう。
人を奴隷にしたいと決心した途端に、もっと悪魔性が現れるような気がしますが、
そのあたりは少し抑制した感じがしました。

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[投稿:2016-11-02 03:17:18] [修正:2016-11-02 03:22:17] [このレビューのURL]

マイケルという猫を借りて、小林まことのギャグだけを
集めた短編集という気がします。
ストーリーをそぎ落としてマイケルの日常を通して、
猫の可愛らしさと人間のバカさ加減を笑います。
読みながら「馬鹿だねえ。」と思わずつぶやいています。

「1・2の三四郎」で非凡なギャグセンスを見せた後、
本作の連載が始まったようですが、私はこの短編もの
よりストーリーの間に挟むギャグの方が好きで、
「柔道物語」がその集大成に繋がったように思います。
とはいえ、本作品も小林まことの代表作として、
記憶に残る作品になりました。

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[投稿:2016-10-18 05:22:38] [修正:2016-10-18 05:22:38] [このレビューのURL]

少女誌向けラブコメというのは数あれど、ここまで徹底した
少年誌向けラブコメは前例がなかったような気がします。
あえて言えば、「タッチ」他あだち充先生の一連作品
でしょうが、少女向けでも通用しそうなテイストは、
初めてとも言えます。

ギャグの質はかわいい少女達のやることだから許される
ような誤解ネタが多すぎて、あまり笑えないものも
多いです。主人公の天満が天然の設定だからなのですが、
安易に誤解が誤解を生んで大混乱というのを乱発し過ぎで、
止めてほしいところでした。

一方で、準主役の播磨の一途さ、男気に筋が通っていて、
気持ち良かったです。私の一番のお気に入りは八雲
ですが、播磨がどんなに深い関わりを持っても、
いつまでも「妹さん」と八雲を呼ぶ姿勢に好感度大
でした。また、心揺れる八雲や沢近の姿がラブコメ
たる所以ですね。

ほとんどマンネリ化したパターンの連続ではありますが、
絵が可愛く週一度の清涼剤のような連載でした。

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[投稿:2016-10-09 17:29:40] [修正:2016-10-09 17:29:40] [このレビューのURL]

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