「朔太」さんのページ

総レビュー数: 820レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

お好み屋さんとかうどん屋さんとか、下町の小さな食堂には必ず置いてあったような気がします。
主人公暮流助の「桐の家」での修行が一流だったため、彼の作る料理は常に和食の粋を集めたものでした。文字通り包丁一本であらゆる料理がこさえられ、芸術を連想させます。
和食創作が芸術の域にあることは一部の人たちは知っていましたが、世に啓蒙した功績は大でした。
それも町のうどん屋さんを通じて。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-15 05:24:03] [修正:2016-11-15 05:24:03] [このレビューのURL]

弱小チームの第三野球部が、圧倒的な実力差を持った一軍や
強豪校を撃破していく様は痛快です。しかし、その勝ち方は
極めて不自然であり、「執念さえあれば何事も叶う」かの
ように全てが良い方に転びます。
まあ、しょせん漫画だから、と温かい目で見守る寛容さと
忍耐がやや必要でしょう。

22巻から飛翔編と改題した後は、プロ野球での活躍になり
ます。ここでも、活躍する自軍の選手は一握りで、投手に
至ってはあすなろ、桑本、柏木(しかも、ほんの少し)の
3名という不自然さ。
また、自軍を最下位に落として、それを口実に球団を売りた
いオーナーとの確執が主題で、飛翔編は負けさせたい
オーナーの妨害に遭いながらも、チームワークで切り抜ける
様を10巻にわたって続けます。
バカバカしくも、また非現実的ですが、これはこれで結構
純粋に頑張るあすなろや桑本に感動してしまいます。

幼稚ではありますが、少年誌の原点を見るようで、面白く
読ませてもらいました。
31巻と長編ですが、アッという間に読み切れました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-06 17:02:33] [修正:2016-11-06 17:02:33] [このレビューのURL]

原作の魅力が全てです。
面白いと思うのも、面白くないと思うのも全て原作への依存度が高い作品です。

原作は大好評だったようですので、人間の深層的な欲望に共感する人が多かったのでしょう。
人を奴隷にしたいと決心した途端に、もっと悪魔性が現れるような気がしますが、
そのあたりは少し抑制した感じがしました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-11-02 03:17:18] [修正:2016-11-02 03:22:17] [このレビューのURL]

マイケルという猫を借りて、小林まことのギャグだけを
集めた短編集という気がします。
ストーリーをそぎ落としてマイケルの日常を通して、
猫の可愛らしさと人間のバカさ加減を笑います。
読みながら「馬鹿だねえ。」と思わずつぶやいています。

「1・2の三四郎」で非凡なギャグセンスを見せた後、
本作の連載が始まったようですが、私はこの短編もの
よりストーリーの間に挟むギャグの方が好きで、
「柔道物語」がその集大成に繋がったように思います。
とはいえ、本作品も小林まことの代表作として、
記憶に残る作品になりました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-18 05:22:38] [修正:2016-10-18 05:22:38] [このレビューのURL]

少女誌向けラブコメというのは数あれど、ここまで徹底した
少年誌向けラブコメは前例がなかったような気がします。
あえて言えば、「タッチ」他あだち充先生の一連作品
でしょうが、少女向けでも通用しそうなテイストは、
初めてとも言えます。

ギャグの質はかわいい少女達のやることだから許される
ような誤解ネタが多すぎて、あまり笑えないものも
多いです。主人公の天満が天然の設定だからなのですが、
安易に誤解が誤解を生んで大混乱というのを乱発し過ぎで、
止めてほしいところでした。

一方で、準主役の播磨の一途さ、男気に筋が通っていて、
気持ち良かったです。私の一番のお気に入りは八雲
ですが、播磨がどんなに深い関わりを持っても、
いつまでも「妹さん」と八雲を呼ぶ姿勢に好感度大
でした。また、心揺れる八雲や沢近の姿がラブコメ
たる所以ですね。

ほとんどマンネリ化したパターンの連続ではありますが、
絵が可愛く週一度の清涼剤のような連載でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-10-09 17:29:40] [修正:2016-10-09 17:29:40] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

登場人物は、空気が読めない、事情が察せない人間達と人間事情に介入するのが
大好きな人間達の二つの類型化で構成されています。
前者の代表選手は、健一父さんであり、実在モデルが実父ということなので
驚愕致します。
中年世代だからという理由では説明できないほど自己中心の思考で、思い通り
にならないとブチ切れますので家族は振り回されぱなっしです。
これが漫画ネタの中心というわけですが、私には寛容さが不足していますので、
この種の人間が周りに実在すれば恐らく憎悪の対象でしょうね。

ネタバレになりますが、
・節分豆まきには、小銭を巻いてくれたと誤解して子供が喜ぶだろうと、
 鬼の父が豆に碁石を混ぜて子供にぶつけます。
 ぶつけられた子供は大人になっても、覚えています。
・中学生の長男が丹精込めて工作したものを、作品が不出来だという理由で
 たき火にくべてしまいます。
 いよいよ仕上げだと勇んで帰宅する子供の目の前で、鼻歌を歌う父親。
・家族の事情を踏まえず、勝手に沖縄支店転勤を希望してしまう。
 その他、話は聞かない、誤解を一人勝手にしてしまう等、
 いそうでいない傍若無人ぶりです。

しかし、その他にもトンチンカンなキャラ、独走気味のキャラなど多彩な登場
人物が多く、健一以外は許容範囲内のお笑いで済ませられます。いわばバランス
はとれている感じ。

以上は4巻までの寸評でしたが、5巻から11巻まで読み進めたコメントを
以下に致します。
前半ではストレスのたまる展開が多かったので評価は低かったのですが、
5巻あたりからはしっかりとした人間模様もからんで一気読みができました。

特に恋愛の駆け引き、手練手管は、女性漫画家ならではの裏技を披露されて
おり、興味深い面もあります。
漫画家を目指して上京を果たし、漫画家の卵たちの新たな登場とますます混線
する健一2号との恋愛模様が、前半とは明らかに違った漫画テイストを醸します。

私は5巻以降で健一父さんが登場しなくなったことで読書ストレスが消えました。
これは好みの問題でしょうが、猿渡女史や歯ブラシ近藤くらいのヤンチャぶり、
オタクぶりは可愛く思えるから不思議です。
節子や健一2号には我慢できない人もいるのではないでしょうか。

そういう意味では、自分がどのタイプの人間とは徹底して相性が合わない
なんて、リトマス試験紙のごとく使い方ができる漫画とも言えます。
一度お試しあれ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-09-21 22:41:41] [修正:2016-09-21 22:51:52] [このレビューのURL]

毎号ひとつのテーマを捉えて、シニカルに世相なり人の
至らなさを笑い飛ばす久米田康治流のスタイルが、
後続の「さよなら絶望先生」と合わせて確立されました。
ギャグマンガとは言い難いほど、世の中を斜めから
眺める姿勢は、久米田以前にもあったように思いますが、
毎号徹底したパターン化は初めてではないでしょうか。
大いなるマンネリズムが、長期連載の中で、多くの
読者に支持されてきたことは立派でした。
レビューの中に「毎号しっかりとネタを作って
練りこんでくることに感心する。」と多くの声が
ありますが、本当にそう思います。

画が可愛いので、残虐性や偏屈さも薄められて許容される
有利さがあります。表紙絵は次第に簡素化されてきまし
たが、力作も多くファンも多いでしょう。

一方、26巻まで読み進めた私ですが、最後の最終話では
相当がっかりしました。ネタバレになるので詳細は控え
ますが、改蔵の大胆な行動力、発想、羽美の残虐性、
破壊癖(極端に孤独を嫌う割に協調の方法が分からない
癖のせいなのだが。可愛いから読者には悉く許容されて
きたはずだった・・)、地丹の卑屈な人間性、性癖は、
全て一つの個性として解釈し、全ての言動や行動は
読者に笑い飛ばされ許されてきたのに・・・。
あの最終話は、そんな改蔵、羽美、地丹を最後の最後で
否定してしまったように感じたのは私だけでしょうか?

まともだと思っている世の中も、ひょっとして狂気と
裏返しであったり、紙一重というギャグなのかもしれ
ませんが、笑えませんでした。
文字通り、画竜点睛を欠く、でしたね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-01 19:02:17] [修正:2016-09-01 19:02:17] [このレビューのURL]

カズフサの部屋の押し入れに、チンマリ納まるラブやんは、
カズフサのような人種にとっては、文字通り天使のような
存在ですよね。肝心のカズフサはロリのため、触手が
伸びないことが原因で、幸か不幸か二人の友情を
育むことになるわけですが。

ロリ・オタ・プーの3拍子揃ったカズフサ登場で、
すっかり嫌悪感から始まった連載ですが、主な舞台が
ほとんどカズフサの部屋で終始しながらも、結局15年の
長期連載になった珍しいギャグマンガです。

下劣な人種のオンパレードではありますが、一定の距離を
おきつつ理解と同調の日々で同居生活を送るラブやん。
長期連載の間に、次第に関係性が熟年夫婦のように
明らかに変化していく様がかえって安心させてくれました。
カズフサも途中からはいつの間にか、フサやんと
呼ばれていることに気付きましたか?

下ネタというより、童貞ネタ満載ではありますが、
さらりと受け流すどころか、その上に盛ってくる
普通の女の子の対応が魅力に思えます。
嫌いじゃないっす。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-08-06 15:55:53] [修正:2016-08-06 15:55:53] [このレビューのURL]

画も綺麗で、ストーリーも明快で、サクサク入ってきます。
神代の時代から人を喰らって生きる“鬼”族は、時には
権力者の兵ともなり、時には村を守る神となりながら、
供物として“人”の提供を受けてきました。

鬼の血を継ぎながら、人として生きる響子の葛藤が中心に
あります。鬼対人の対決から、鬼を利用する人対人の対決に
すり替わってきた時点で、やや鬼の哀しみに関する焦点が
ぼけてきたのは残念です。
そんなに簡単に人の思惑にはまる鬼って・・、感じですね。

最大の違和感は、タイトルですね。
事件簿というからには、毎号異なった複数の事件が
展開されないとダメですよ。
最初の数話は確かにそうでしたので、そのまま読み切りで
行くのかと思いきや、2巻あたりから展開が連続的になり、
普通にストーリー化しましたから。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-25 22:41:35] [修正:2016-07-25 22:41:35] [このレビューのURL]

登場する女性は、全て巨乳美女です。
それでも、キャラの違いが際立っており、見分けが
つく描画力は立派なものです。
特にお気に入りは、病弱で吐血と卒倒が日常だけれど
不死身のハイアット譲です。エクセル譲の小市民的な
節約精神や天然ボケぶりも好きです。
これらのお色気たっぷりだけどエッチなシーンは
一切出てきません。巨乳美女たちが、醸し出す
バタバタ劇が独自な世界を提供してくれています。

当初10巻程度は、間違いなくギャグ漫画という
立ち位置でした。ですから読み手も多少の矛盾や
疑問(アクロスという秘密結社の構成員は4名だけ
なのに、イルパラッツォへの異常な忠誠心の根拠、
経緯・・・などなどキリがない)は、ギャグなんだ
からという理由で置き去りにしても平気でした。
しかし、11巻あたりからストーリー臭もさせつつ、
登場人物のインターラクションを絡めてきます。
極めつきはエクセル譲の記憶喪失と偽者を出して
きました。このあたりで、ただのドタバタ劇に成り
下がってしまいました。ここは残念でした。

とはいえ、最初に言いました通り、巨乳美女たちの
作るドタバタはそれはそれで、これまでにない
テイストでしたので、なんだかんだ言いつつ
20巻まで読みました。

ちなみに表題は「エクセル・サーガ」ではなく、
「エクセル(ハート文字)サーガ」が正しいらしいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-24 22:35:03] [修正:2016-07-24 22:37:00] [このレビューのURL]

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