「朔太」さんのページ

総レビュー数: 820レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

[ネタバレあり]

紅玉という虚構の病気の設定以外は、極めてリアルな青年の恋愛物語です。
恋愛あるあるがたんまり出てきていて、ここでのレビューでも
そのあるある一個ごとに共感しているのがおかしかったです。
(いつの間にか、頭を打っているシーンとか)

怜子に一途に恋する睦月も、妊娠疑惑から一気に豹変する怜子も、
これに右往左往する睦月も実にリアルです。
理性ある大人なら絶対に理解できない一連の行動も、
青年期だからこそやっちゃってる感じが、ものすごく分かります。

絵はとても上手ですね。特に、女性の体の美しさ、美人顔の
書き分けが、とても上手いです。
ランキング1位候補じゃないですかね?

一つだけディスりますと、タイトルの紅玉の設定がとても良いのに、
メインシナリオにほとんど絡まないですよね。
要ります?というか、せっかくの設定なのに、活かされていなかったのが
残念でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-07-14 06:53:10] [修正:2021-07-14 06:53:10] [このレビューのURL]

高い評価の作品でしたので、いつか読みたいと思っていましたが、
ようやくその機会を得ました。
今や、藤田和日郎氏の本作品は、レジェンドとなったような気がします。
ここでのレビューも高い評価を得ています。

壮大なスケールの妖合戦や時間の往来で、四次元の深みを出しています。
ベースになっているのは、主人公うしおの絶対的な人間愛で、
軸がぶれません。
愚直で真っすぐな思いと行動で、あらゆる人間、妖までも、心が
溶かされてしまいます。
とらは、対極にあって、悪行の権化ではありましたが、
うしおとの出会いにより、やはり心が溶かされていきます。
そのプロセスが好評を博したのでしょう。

特に、最終巻近くになりますと、白面の者というラスボス、
最強の敵との決戦への期待が膨らんできます。
秒読みが始まりますが、最後はまだまだやって来てほしくないと
いう気にすらなります。大作にふさわしい大団円でした。

しかし、私は個人的にはちょっと合わない点を感じましたので、
マイナス4点をつけています。
一つは、うしおの真っすぐな愚直さは、説得力に欠けることですね。
大局感に立つと、目の前の小さな犠牲はやむなしとなるのですが、
そこは選択できないうしおに、ちょっとイラついてしまいます。
ヒーローの正義というのは、そういうものなんでしょうが、
調子良く事態が好転するのは納得できません。

もう一つは、普段は絵の下手な作品もたいてい受け入れる私ですが、
藤田氏の絵はところどころで、理解不能になるので、好きになれません。
また、女性の書き分けができておらず、ザンバラ髪の女性が多いので、
ヒロイン達をちっとも美しく感じないのです。
私だけでしょうか?
この辺りは、個人的好みかもしれませんが。
全巻読破しました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-06-27 07:05:29] [修正:2021-06-27 07:05:29] [このレビューのURL]

必ずしも健全な精神の持ち主とは言えませんが、
元気で明るく前向きな女性が主人公です。
学校時代は、クラスの中心的存在だったけど、
今や地味な会社勤めが嫌になっています。
彼女とは180度正反対のロケットオタクとの
かけ合わせの妙があります。
とにかく、熱くロケットを飛ばす夢に邁進するオタク
には、主人公だけでなく読者もその面白さというか、
興味がそそられません。

しかし、主人公と同じ速度で、読み手も何だか夢の
ある世界のように思えてきますから、見事な演出でした。
女性らしい細い線を重ねて、独特の描画をみせてくれました。
なかなか結構かと思います。
ラストの回のまとめ方もこれ以上は考えにくいほど良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-05-30 15:54:53] [修正:2021-05-30 15:56:32] [このレビューのURL]

藤田和日郎らしさ満載です。
何といっても、作品自体のネーミング、各章の
ネーミングは良く練られています。
よく練られた設定とシナリオです。

見られたモンは皆死ぬという絶対的な敵を設定した
時点で楽しみ最高ですよ。
これに絡める古典的狩人と巫女が、不思議を醸成します。
そこに米軍を持ってきますかね、普通。

ファンタジー要素も取り入れ、かつ全編戦闘的な内容で
興味をつなぎます。
漫画家というよりも、シナリオライターとして一流の
才能を有する藤田だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-05-29 08:30:46] [修正:2021-05-29 08:30:46] [このレビューのURL]

6点 夢印

浦沢直樹氏の溢れる才能で、ちょっとした短編を作ったら、
こうなりました、というような作品です。
だらしない両親の元に生まれた一人のしっかりとした少女を
主人公に持ってくるあたりは、浦沢氏の真骨頂でした。
全1巻9話構成ですが、単なる雰囲気で終わらせるのではなく、
きちんとしたストーリー構成になっています。
感心したのは、1話の最初の導入で出てくるシーンが、
最終話に繋がっていましたので、最初から全体的な展開が
用意されてたことが分かります。

一編の短編小説のようなテイストでした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-05-26 21:24:39] [修正:2021-05-26 21:24:39] [このレビューのURL]

2021年4月に、11年半にわたる連載が終了となった
ニュースが流れました。6月発売予定の34巻で
最終巻になることも併せて公表されています。

アニメ化と映画化を果たして、鬼滅以前の大ブームと
なった時期がありましたので、少し遅れて読みました。
最初の巨人が出現、急襲は、大変衝撃的だったんですが、
その後の展開では、登場人物の多さ、人間関係の複雑
さで、次第に興味を失います。

残念ながら、展開が遅くちょっと食傷気味になって
いきますね。
アニメで完結編を見ましたが、特段の感慨も湧かずに
終わってしまいました。
私にとっては、初期8点→終盤4点となる典型的な
竜頭蛇尾のパターンの作品でした。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2021-04-16 08:01:21] [修正:2021-04-16 08:01:21] [このレビューのURL]

連載少年誌では第六部を毎週読んでおりましたが、それ以外を順次、
読んでいこうと思います。

第一部 ファントム ブラッド ・・・ ディオとジョジョの誕生と
因縁が語られる。まさに、超絶超能力の応酬。設定と技の考案に
ついては、毎話驚かされる。 4点

第六部 ストーン・オーシャン ・・・ 女性の主人公を登場させて、
新鮮味を出した。独特な絵も相当、上達した。 7点

長期連載ながら、展開はほぼ同じパターンの繰り返し。
ただし、超能力の奇想天外ぶりで、興味を引っ張り、
主人公を窮地に追いやるレベルは高い。
総合的な評価 6点 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-04-15 08:02:50] [修正:2021-04-15 08:02:50] [このレビューのURL]

可愛い女子高生が45歳の特段魅力のない中年男性に
恋をするという設定に引き込まれてしまいます。

主人公の女子高生も普通の感覚ではありません。
基本、友人は少なく、無表情であることが多く、
人を寄せ付けません。
唯一、単距離走だけは懸命に打ち込めることだった
のに、故障で走れなくなります。
心の傷を持ちながら、中年男性にはまっていく
彼女が何となく理解できてしまう説得力があります。

無表情で愛想のない彼女がなんとも可愛くてよろしい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-03-19 08:43:39] [修正:2021-03-19 08:43:39] [このレビューのURL]

山岳女子の一人山登りの楽しみ、喜びが満載です。
なぜ一人で山を目指すのか、本人も分からないと
言っています。

しかし、週末と休暇どころか毎日を山登りと
その準備に充てる彼女は間違いなく山が人生ですね。
それに食を絡めて楽しみを倍増させています。
その楽しげな雰囲気がよく伝わってきて、
ハイキングがしたくなる漫画です。

山登りがテーマになっていますが、私は主人公の
日々野鮎美ちゃんの価値観というか
人生の選択の考え方が好きです。
ぶれないポリシーを持って、人生の楽しみ方を
知っているという感じが気にいっています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-01-14 06:53:32] [修正:2021-01-14 06:53:32] [このレビューのURL]

料理漫画ではあるのですが、主人公の専門である
フランス料理を中心にして、料理の力で外交相手の
機微に触れながら、懐柔していく手腕が見どころになります。

公邸料理人が一流の料理人でないと務まらないのは
理解できますが、外交の一翼を担うというのは、
やはりフィクションだろうと思ってしまいます。
よって、ストーリーに説得力を高く期待しがちです。
なるほどね、と納得できる回はそれほど多くなく、
なんとなく最悪の事態は免れたというような
お話が多い気がします。
それでも料理ごときで国益が守られたということが結末にあります。

欧米を相手に外交を進めるお話よりも、中国を
相手にした回が比較的スリリングな展開ですね。
主人公大沢公ではなく、弟子の青柳が活躍した
香港領事館の編が一番面白く感じました。
欧米人やベトナム人、韓国人に比べて、
外交的にタフに感じるせいでしょうか。

もちろん、料理に対する薀蓄も沢山出てきます。
フカヒレというのは中国近海では獲れないので、
実は干しナマコと干しアワビと並んで「俵三物」と
呼ばれる日本からの輸出品だとか。
やはり驚かされます。

一言でいえば、絵も可愛く読みやすく、
外交の価値や重要性を理解することができる点で、
優れた料理漫画作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-01-11 06:51:29] [修正:2021-01-11 06:51:29] [このレビューのURL]

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